小規模多機能型居宅介護と介護予防小規模多機能型居宅介護

 一般的に、通所介護というのは日帰りのサービスであることが基本になっています。ところが、利用者側からすると、日帰りをすることなく、宿泊して行きたいと考える日もあるでしょうし、今日は出かけたくないという日もあると思います。
 このような利用者のニーズに柔軟に応じられるサービスを提供できるように、2006年の介護保険制度の改正時に小規模多機能型居宅介護サービスが新しく立ち上げられました。基本的にはデイサービスは通所が中心となっていますが、改正後は必要に応じて宿泊や訪問を適宜組み合わせて提供されることになっています。
 しかし、小規模多機能型居宅サービスはショートステイやデイサービス、訪問介護をプラスした物というわけではありません。在宅での介護を受けている利用者の家族が、たまたま帰宅時間が遅くなることを理由に通所での滞在時間を延長したり、急遽宿泊することもできます。また、既存のデイサービスは利用時間が決められていますが、このサービスでは時間は決まっていないので、家族が出かけている時だけ利用したり、ほんの数時間だけサービスを受けることもできます。もし宿泊サービスや自宅への訪問サービスを利用する際にも、普段良く接しているスタッフが対応に当たりますので、認知症を患っている人などの心配や不安な気持ちを緩和することが可能です。
 このサービスには利用者の定員があり、1事業所につき、25人以下と決められています。登録制になっているのですが、1日当たりの通所サービスの定員は大体15人以下で、宿泊の定員は9人以下と定められています。
 事業所のスタッフの内訳としては、管理者が1人おり、スタッフ1人につき、通所サービス利用者3人に対応しています。また、1人の訪問介護担当スタッフと2人の夜間対応のスタッフがいます。小規模多機能サービスは事業者側からすると人件費を抑えることができるので、導入後は利用者が増えると考えられていました。
 ところが、このサービスが施行されてから既に3年が経っていますが、実際のところは整備できている事業者数が少な過ぎるのが現状です。利用者からしたら、訪問介護やデイサービスというように、サービスを1つに絞ってしまわずに、柔軟にいくつものサービスを組み立てることができるので、利用しやすいのではと考えられていましたが、結局のところ、利用料が高く、自己負担額がとても大きいので、利用者数はあまり伸びていないのが実際です。
 そのために、今回の介護報酬の改定においては、月額利用料が引き下げられています。なお、事業開始時支援加算および認知症加算といった加算項目については変更される点はありません。今後は複合型サービスを中心としてサービスの提供を実施する事業所が増加して行くことも考えられますので、このサービスの利用を検討する際にはケアマネジャーと一緒にしっかりと考えてみることが必要です。

小規模多機能型居宅介護に関する介護報酬について
要支援1・・・4,469単位/月
要支援2・・・7,995単位/月
要介護1・・・11,430単位/月
要介護2・・・16,325単位/月
要介護3・・・23,286単位/月
要介護4・・・25,597単位/月
要介護5・・・28,120単位/月
事業開始時支援加算について
定員に限りなく近い利用者数を抱えながら運営している事業者は、毎月の収益には安定感がありますが、事業開始から利用者を獲得して運営が安定するまでは不安定な状態であることは間違いありません。そこで、事業を始めてから日が浅い小規模多機能施設に対し、ケアマネジャーと連携を強めるなどの対策を取りながら、事業を安定させていくことを目標にして、一定期間の間、事業開始時支援加算が認定されています。また、事業開始支援加算(Ⅱ)については取り消しになっています。

事業開始時支援加算(Ⅰ)の場合・・・500単位/月
事業開始時支援加算(Ⅱ)の場合・・・(以前)300単位/月から廃止へ
事業開始時支援加算における算定要件について
事業開始時支援加算(Ⅰ)の場合・・・事業を開始してから1年が経過しておらず、設定した定員数に対して利用者が70%以下の割合となっていること。ただし、70%を超えた時まで加算されます。
認知症加算について
認知症を患っている高齢者に対して、小規模多機能サービスを提供する事業者に対し、認知症加算が認定されます。

認知症加算(Ⅰ)の場合・・・800単位/月
認知症加算(Ⅱ)の場合・・・500単位/月
認知症加算における算定要件について
【認知症加算(Ⅰ)の場合】
認知症を患っており、日常生活を送る上で支障をきたしてしまう恐れがあると考えられる行動や症状が見られることを理由に、要介護状態である利用者に対してサービスを提供する場合。認知症日常生活自立度(Ⅲ)以上の要介護者が該当。
【認知症加算(Ⅱ)の場合】
要介護2であり、日常生活を送る上で支障をきたしてしまう恐れがあると考えられる行動や症状に加え、意思疎通をする上で困難な状態になっており、周囲の人が常に注意を払っている必要がある利用者に対してサービスを提供する場合。認知症日常生活自立度(Ⅱ)の要介護者が該当。
看護職員配置加算について
看護職員を小規模多機能サービスに配置するケースにおいて、介護職員配置加算が認定されます。

看護職員配置加算(Ⅰ)の場合・・・900単位/月
看護職員配置加算(Ⅱ)の場合・・・700単位/月
看護職員配置加算における算定要件について
【看護職員配置加算(Ⅰ)の場合】
専従であり常勤している看護師を1人以上置いていること
【看護職員配置加算(Ⅱ)の場合】
専従であり常勤している准看護師を置いていること
過小サービスでは減算されている
通所を中心として、宿泊や訪問のサービスを行っている小規模多機能サービスにおいて、サービスが利用者にあまり利用されていない事業者においては適正な評価を行い、報酬を減らしています。
 1人の利用者に対して、サービスが提供される回数が1週間当たり4回を下回る事業者が減算の対象になります。サービスをあまり提供していないのにも関わらず、利用料だけを得すぎている事業者が発生しないように、サービスの内容を改善していくことを目標としています。

過小サービスに対して行われる減算・・・所定単位数に対して30%が減算

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