リハビリテーション

介護保険制度では、可能な限り、高齢者や要介護者が住み慣れている環境で生活する事を目指しています。その中で、リハビリテーションは高齢者の体力が落ちてしまわないように少しでも鍛えることで筋肉を付け、体の機能が使えなくなってしまう状態を予防するためにとても重要です。

脳梗塞になり、入院していた高齢者が、入院中にリハビリテーションをしっかり行っていたのにも関わらず退院した途端に自宅ではリハビリテーションをしなくなってしまうという場合も良くあります。また、家族が心配しすぎるあまり、過保護にしてしまって、高齢者に安静を強いた結果、体の機能の回復が衰えてしまって、気がついた時には全身の機能が使えなくなってしまい、寝たきりになってしまったという最悪のケースも実は良く見られます。乱暴な言い方になりますが、このような状態の高齢者のことを「寝かせきり老人」と表現する医師もいるようです。一方、高齢者本人が既に自立を諦めている場合は、「寝たふり老人」になる場合もあります。

こうした状態になってしまうことを予防するために、訪問リハビリテーションのサービスが設けられています。訪問リハビリテーションというのは、理学療法士や言語聴覚士、作業療法士といった専門スタッフが利用者の自宅を訪問し、マッサージや機能回復訓練といったサービス行うサービスの事を言います。普通は通所リハビリテーションを利用している人が受けられるサービスなのですが、外出することに抵抗があるような社交性の低い高齢者については、訪問リハビリテーションを利用することで効果を期待することができます。病院に入院する期間が近年短くなっている中にあって、退院後に自宅でのリハビリテーションを受ける事ができるサービスは、在宅での介護をしていく上で、とても重要だと考えられています。

リハビリテーションの機会提供を増加させる目的で、算定要件を変更

 2009年に行われた改定では、介護報酬はこれまで、1日単位で算定していたのですが、1回ごとに算定されるように変更になりました。1回のリパビリテーションで算定される基準というのは、20分間のサービスを行った時という設定になっています。報酬額は1回あたり305単位になっており、これまでの1日あたり500単位という基準と比較すると大きく金額が減っています。今回の介護報酬については見直しはありません。
 ところが実際のところは、訪問リハビリテーションの提供時間は20分では終わらないことがほとんどなので、サービスを1回利用しただけでも請求は2回分取られるということが増加しています。
 制度に関する改正については、これまで通所リハビリテーションを利用していた高齢者が施設に通う事ができなくなった場合に、退院した時と同じように訪問リハビリテーションを利用することができるよう、通所リハビリテーションの利用を終えた1ヶ月後に限って介護老人保健施設より訪問リハビリテーションのサービスを提供できるようになっています。これが改正後にはさらに緩和され、医師の診察を受ける事を条件に、リハビリを受け続けられるような仕組みになっています。
 今回の改正においてはリハビリを受ける機会を増やす事を目的に介護報酬に関する算定要件が緩和されています。今までは1ヶ月ごとのリハビリ指導を医師が行う必要があったのですが、改正後は3ヶ月に1度で良くなりました。医師は老人保健施設の医師でも同様です。また、訪問リハビリテーション提供事業所がある建物に住んでいる高齢者の介護報酬については10%金額が減らされています。
 そして、介護予防訪問リハビリテーションと訪問リハビリテーションはほとんど同じ内容のサービスを受ける事ができます。

短期集中リハビリテーションに対する加算は変更なし

病院を退院した後に、突然リハビリテーションを受ける事ができなくなってしまうことを避けるために、自宅に帰って来てからは短期集中リハビリテーションを受ける事ができる仕組みになっています。短期集中リハビリテーションに関する加算の中でも、要介護1~5に該当する人が訪問リハビリテーションを退院した後1ヶ月以内に行われた場合には、その利用料が少し高くなっています。
 以下はリハビリテーションに関する介護報酬です。

訪問リハビリテーションに関する介護報酬/要介護1~5
・訪問リハビリテーション・・・305単位/回
・短期集中リハビリテーションの加算
→利用者が退院した後1ヶ月以内に行われた場合・・・340単位/回
→利用者が退院した後1ヶ月以上3ヶ月に行われた場合・・・200単位/回
介護予防訪問リハビリテーションに関する介護報酬/要支援1・2
・介護予防訪問リハビリテーション・・・305単位/回
・短期集中リハビリテーションの加算
→利用者が退院した後3ヶ月以内に行われた場合・・・200単位/回

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