介護予防訪問看護と訪問入浴

 訪問看護サービスというのは、看護師が訪問看護ステーションから派遣されて、高齢者の家庭に行き、高齢者の健康状態を確認したり、療養について指導をするサービスのことを言います。訪問看護サービスで行われる内容は、高齢者の状態を医師に報告し、洗髪や清拭、床ずれ防止の処置や体位の変換、リハビリの指導、カテーテル管理、家族に対する介護の指導など非常に様々です。
 介護を在宅で行う場合、利用者の家族が心配していることは、医療サービスをどのように利用するかについてです。例えば、高齢者が病院を退院して、在宅で介護をすることが決まり、実際に家族で介護を行っていたとしても、もし家にいる時に病状が突然悪化してしまったりしたらどうしたら良いのだろうと不安になると思います。医療に関する知識がない家族が心配になるのはごく当たり前のことです。
 そのような最悪な状況に陥ってしまうということを考慮した場合、訪問看護サービスでは看護師が医師と密に連絡を取り、パイプ役をしてくれますので、いざという時にも安心です。在宅で介護をしていても、担当の医師と密に連絡を取る事ができるので、介護をする家族はもちろんのこと、高齢者本人にとってもすぐに対処することができるので安心できるサービスです。要するに在宅介護を続けていくためには、医療サービスのような方法を介護保険サービスの中に用意しておかなくてはならないということです。そういった意味でも、訪問看護サービスを上手く使うことを考える必要があるでしょう。
 高齢者の体調というのは、短期間で大きく変化することは良くあることです。風邪を引いたと思ったら、急速に悪化して、肺炎になってしまったり、たったの3日間入院したとしても、慣れ親しんだ環境とは異なる場所で生活することをきっかけとして、突然認知症になってしまう場合もあります。ですから、風邪を引いた程度の時には、むやみに病院につれて行かず、自宅で療養するように準備しておくことが大切です。良かれと思って入院させて、病気は改善したものの、違う病気を引き起こしてしまっては元も子もないですよね。
 先述した通り、在宅医療サービスで行われる看護師の仕事は多岐に渡ります。療養指導は担当の医師と連携して行ってくれますし、服薬の管理や経管栄養、食事や排泄、清拭の指導、人工肛門管理まで受けることができます。在宅医療をしている診療所が訪問看護ステーションを運営しており、それらが上手く連携を取れているようであれば、在宅での介護を続けていくことに心強い力となると思います。
 サービスは病院や診療所、訪問看護ステーションが提供します。これらのサービスは、医療保険で行われていたのですが、今回介護保険に組み込まれたことにより、訪問看護の利用者は増えています。また、在宅で点滴やカテーテル、胃チューブといった医療器具を使用する時には、看護師からのアドバイスや指導を得る事ができます。

短時間のケースは介護報酬を引き上げ
介護報酬は要支援1・2の人を対象にした介護予防訪問看護でも、要介護1〜5の人を対象とした訪問看護でも変わりません。今回の改正では、「20分未満」「20分以上30分未満」に対して10%ほど介護報酬を引き上げられた一方で、「1時間以上1時間30分未満」の報酬の単価では5%ほど引き下がっています。この報酬単価の変更は、短いサービスを何回も受けたいという要求に応じて行われた改正です。
それと同時に、20分未満での算定要件は緩くなっています。今までは日中だけではなく、早朝や夜間に訪問看護をした時のみ算定することができたのですが、今回の改正からは、日中だけでも算定することができるようになっています。
訪問看護事業所にいる理学療法士によるリハビリ
今回された改定では、訪問看護事業所にいる理学療法士が自宅に訪問して行うリハビリの時間の区切りが30分から20分の区切りに変更になりました。報酬単価についても1回につき20分で316単位に決まっています。
訪問介護を受ける際の利用料の変更について(訪問介護ステーションがサービスを提供する時)
・20分未満の場合・・・285単位から316単位/回
・20分以上30分未満の場合・・・425単位から472単位/回
・30分以上1時間未満の場合・・・830単位/回のまま変更なし
・1時間以上1時間30分未満の場合・・・1,198単位から1,138単位/回
・理学療法士が自宅訪問した場合・・・316単位/回(新設)
病院か診療所によるリハビリ
・20分未満の場合・・・230単位から255単位/回
・20分以上30分未満の場合・・・343単位から381単位/回
・30分以上1時間未満・・・550単位/回のまま変更なし
・1時間以上1時間30分未満・・・845単位から811単位/回
特別管理加算および複数名訪問時の加算は変更なし
今回は介護報酬について時間単位での変更はされませんでした。訪問看護を1時間30分以上した場合に行われる特別管理加算と看護師が複数人で訪問介護をした場合の複数名訪問加算についてもそのまま続行となっています。
特別管理加算というのは、いつも訪問看護のサービスを受けている利用者の容態が、特別な管理を要すると認定された場合に実施され、1時間30分以上の看護が行われた時に、1回のサービスにつき、300単位の長時間訪問看護加算がつきます。特別な管理は、在宅酸素療養や在宅透析管理、在宅での悪性腫瘍患者の指導管理やドレーンチューブ、気管カニューレ、留置カテーテルをしている状態である場合に加え、程度が重度の床ずれ状態が追加になりました。
また、看護師が複数名で訪問した場合の加算が許可されるのは、利用者の体調を判断した時に看護師1人では対応するのが難しいと判断された時や、迷惑行為や暴力行為をする利用者であると判断された場合であり、利用者本人と家族が同意をしている場合です。サービスを利用する人は何故看護師が複数名で訪問するのかについてしっかりと確認し、加算を許可するかどうかを判断するようにしましょう。
ターミナルケアについての加算が引き上げ
訪問介護でのターミナルケアに対する加算も引き続き充実させていきます。最近は、医師にも在宅医療に対して力を注いでいる人が増加しています。利用者側からすると、訪問看護を選択することで、自分の慣れ親しんだ自宅での死を選ぶ事もできる時代になったということです。
在宅での介護を受けている人は、在宅医療を取り入れることや、そのことについて検討していることについてケアマネジャーと一度話し合うことも大切です。もしサービスを利用している人が、自分の家で死にたいと考えているのであれば、在宅介護に加えて、それをかなえてあげる体制を整えてあげることができるのです。介護保険の訪問介護を利用すれば、高い医療費に悩むことなく、利用者とその家族が望む介護を得る事ができるでしょう。ぜひ医療と介護が連携した環境を作ることを考えてみてください。
ターミナルケア加算は、死亡日の前14日以内にターミナルケアを2回以上行っている事、そして担当医と連携を図り、ターミナルケアでの訪問看護のプランとサポート体制を整えて、しっかりと家族に対しても説明がされていることが必須になります。要するに、家族から同意を得た上でターミナルケアがされていることが必要なのです。この場合、2,000単位が認められます。
その他にも、訪問看護師の研修プランを整え、実施し、職員の定期的な健康診断と技術指導が行われている上で、3年以上勤続している職員が事業所に30%以上いるところにはサービス提供体制強化加算6単位/回が認定されています。
看護・介護職員連携強化加算を新設
今回の改正では、従来医療行為であった、痰の吸引を介護職員でも行う事ができるようになるために、訪問看護事業所と一緒に計画書を作った場合には看護・介護職員連携強化加算が認められます。月単位で250単位です。

その他の加算事項

今回新しく設定された、定期巡回と随時対応型訪問介護サービスとの連携に関して次のような加算事項ができています。

1.退院後に医療機関が円滑なサービスを提供する
退院した後にスムーズに訪問介護サービスを提供することをできるように、入院している最中に利用者に対して指導を行った場合に退院時共同指導加算が1回につき600単位認められています。
2.初回加算は月に300単位が認められています。
 
3.定期巡回および随時対応型訪問介護看護事業所と協力してサービスを行った場合に対して次のような加算が新しく設定されました。
・定期巡回および随時対応サービス連携型訪問看護の場合は月に2,920単位
・要介護5の利用者に対して訪問介護をする場合は月に800単位
・医療保険の訪問介護を使っている場合は1日あたり96単位を減算します。

訪問入浴サービスの利用料

寝たきりになってしまって、普通の家の浴槽での入浴が難しいお年寄りに対して、訪問入浴というサービスが用意されています。このサービスの利用者は要介護4・5がほとんどで80%を占めています。
訪問入浴のサービスでは、お年寄りの家庭に訪問入浴車という専用の車で訪問し、高齢者に対して入浴のサービスを行います。寝たきりになってしまったお年寄りでも、簡易浴槽を使う為に寝室でお風呂に入ることができます。
 サービスは1~2名の介護職員によって行われるのですが、看護師が同行します。入浴の前後には、健康状態の確認のために、血圧測定を行い、入浴を安全に行うことができます。介護保険においては、看護師が同行してサービスを行う事がほとんどなのですが、主治医の許可が下りれば介護職員だけで訪問入浴サービスを行うケースもあります。
一般家庭のお風呂の浴槽には介護用の設備が整っていることがない場合が大半なので、何日間も入浴することができずにいる高齢者もたくさんいます。家族が入浴のサポートをすることは体力的にも非常に大変です。寝たきりの高齢者にとっては、入浴するということは体を洗ってもらえるだけではなく、リラックスすることができますし、良い気分転換の機会になるのです。また、肌がかゆくてもどうしてもできないところを、かゆみを減らしてあげることもできますし、食欲もどんどんわいて来るようになるでしょう。そして、床ずれを防ぐことにもつながります。夜も熟睡することができるようになるでしょう。
介護報酬に関しては、要支援1・2の人に対する介護予防訪問入浴が1回854単位で、要介護1~5の人に対する訪問入浴は1回1,250単位です。それぞれの詳細については次の通りです。

訪問入浴介護
3人の介護職員で入浴介助を行った時は減額5%
全身入浴を提供することができず、部分浴や清拭をする場合は減額30%
介護予防訪問入浴介護
3人の介護職員で入浴介助を行った時は減額5%
全身入浴を提供することができず、部分浴や清拭をする場合は減額30%

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